講座開催レポート

講座

NEW 聖書の言語とキリストの物語 2025年10月7日


日時:2025年10月7日(火) 13時半~15時
講師::髙橋 洋成(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教)

今期はギリシア語で書かれた新約聖書にヘブライ語やアラム語等がどのように登場するのか、また、ギリシア語がどのような言語の影響を受けたかと考えたとき、新約聖書の読み方がどう変わるのか、先生のご見解を伺いました。
第1回目は「ヨハネの黙示録」と「マルコによる福音書」を見ました。
「ヨハネの黙示録」の“獣の数字”(黙13:15-18)と“神の刻印”(黙7:3-9)の表しているものは何か。それはギリシア文字をヘブライ文字に置き換え、旧約聖書とイエスの教えを重ね合わせて考えると、キリストに従うものはいつも勝利していること、今における人の子の永遠の勝利が約束されていることを暗示しています。 
「マルコによる福音書」では不思議な言葉、例えばタリタ、クム(マコ5:41)やエッファタ(マコ7:34)など(ガラリヤ訛り?)を取り上げ、物語の構造に着目しました。結末が唐突に終わり(マコ16:8)、改めて最初から読み返すと、ガリラヤで復活したイエスに出会う(マコ1:35-38)、という円環構造になっており、読むたびに繰り返される人の子の働きについて気づかされます。
どちらも繰り返される物語、しかし今において私たちはキリストに出会うという読み方を伺いました。
講義後、受講者の質問に髙橋先生は丁寧にお答えくださいました。

次回11月11日は「マタイによる福音書」を中心に講義が行われます。来月が楽しみです。

この講座の過去の開催レポートを見る
>>聖書の言語とキリストの物語 2025.05.13開催
>>聖書特別講座「イエスの言語、キリストの物語」


次回以降開催 11月11日、12月9日 火曜日 
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