「仏教文化タイ国で30年、人々と共に生きて学んだ福音宣教」 阿部 羊子 2026年10月18日
日曜講座 文化と宗教―なぜこの道を―
「仏教文化タイ国で30年、人々と共に生きて学んだ福音宣教」
日時: 2026年10月18日 14:00~16:00
講師: 阿部 羊子( 聖パウロ女子修道会 )
聖パウロ女子修道女会は、出版や視聴覚などのメディアによる宣教をミッションとしています。今回のシスター阿部の講座も、まさに視聴覚に訴え、心に触れる宣教であったように思われます。
まず、この講座は「歌」で始まりました。
♪巡礼人生 共に歩む
希望の祈りを 捧げながら
Amen Alleluia
Amen Alleluia aaaaaaaa
シノドス 共に 天国めざし
これは、シスター阿部が作詞された歌「共に歩む 巡礼人生」の1番です。全部で3番まであります。講座前に、シスター阿部のギター伴奏による練習を行い(受講者と講座スタッフ)、講座開始時、休憩後、講座終了時に歌いました。多くの受講者がシスター阿部のお知り合いでしたが、そうではない方々も一緒になって歌うことで、一体感が生まれたように思います。一緒に歌ったもうひとつの曲は「数え歌」。「ひとつとや ひとつのしずくが輪になって 平和のしずくとなりましょう」(10まで数えます。歌詞はすべて異なります。)この歌詞はシスター阿部のお母様が作られたとのことですので、シスター阿部は小さな頃からこの歌を耳にされていたのだと思います。
続いて、シスター阿部が「みなさんをタイへお連れします」とおっしゃり、30年にわたり宣教活動を行われたタイの写真が次々と映し出されました。タイの気候や過ごされた村の雰囲気、地元の方や日本人滞在者との心温まる交流などが伝わってまいりました。
講座の資料として配布されたのは、このタイでの宣教活動を振り返る雑誌記事でした。B4サイズ、2ページにまとめられたシスター阿部の宣教を、受講者が順番に音読をしました。50歳を迎えられたとき、「イエス、福音のため、福音の好機を逃さずに、修道会のどんな要望にも辞さずに臨もう。いただいた命をお返しする終盤戦、もっと焦点を絞って自身を福音で完全燃焼させたいと福音とパウロ書簡の精読念祷に励んでいた」とあります。そのような時に、総長様より、タイ国での宣教が命じられました。シスターは「聖体の前で主と問答」、「はい」とお答えになりました。タイに入国、新しい生活環境への順応、新しい言葉の習得など、さまざまな課題を姉妹とともに神の恵みとして受け取って、読書が苦手なタイの人々のために、日本の漫画(ベンハー、クオヴァディス、聖書コミックス)を翻訳して福音宣教を開始されました。漫画のみならず、さらにCDやDVDを通じて、福音は、ストリートチルドレン、エイズ患者、養護施設、刑務所、貧しい山岳の村々、学校の子どもたちに伝わってゆきます。しかし、シスター阿部は漫画やCD製作の技術を持ってタイへ渡られたわけではありません。「我ながらAmaging Graceこの粗末な器を使って神がなせる業としか言いようがないのです。もちろん精一杯の努力はしました。」「受けたすべての恵み、体験と学びを、あらゆるポケットから逆立ちして振り落として役立てているように思います。」シスター阿部は、タイでの宣教を、「小さき我に、キリストの極めがたき富の福音を告げる恩寵を賜る」こととまとめられています。
この音読の後、沈黙、受講者がグループになって、分かち合いが行われました(その中に、シスター阿部と一緒に来られていた三人のシスターもグループにまざってお話しされていました)。分かち合いはシスターのお知り合いが多かったので、同窓会のような雰囲気で、お話は尽きない様子でした。初めてシスターのお話を聞かれた方も、行動的でパワフル、心温かく親切なシスター阿部自身から、それぞれに受け取られたものがあったかと思います。
講座の最後に、シスター阿部はご自分の宣教者としてのあり方を、目立たない仕方で人々の役に立つ「塩」や「灯り」にたとえられていました。シスター阿部は、現在、他のシスターと数名で、日曜日に教会を訪れ、女子パウロ会で出版された本をキャスターつきのキャリーバッグで運び、販売する奉仕をしていらっしゃいます。人が成長するためには、おいしい食べ物、そしてその食べ物を作る人だけではなく、食卓まで運ぶ人も必要です。目立たないけれど、人々のために役立つシスター阿部の宣教は、タイ国での活動とは異なりますが、現在もなお続いています。
講座の様子をご覧いただけます(再生時間1分間)
次回以降のご案内
11/22 山本 達也 (清泉女子大学学長)
「世界を理解する旅路の果てに出会ったカトリック信仰 ―文明の転換期に『よく生きる』を問う―」
12/6 小西 広志 (フランシスコ会〔小さき兄弟会〕・カトリック瀬田教会主任司祭)
「聖フランシスコの出会い、わたしの出会い」
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